1.3 手術
手術には4日間を要しました。
1日目 入院手続きと事前検査
2日目 手術
3日目 休養
4日目 退院
部屋は外科用の4人部屋でした。
私以外は長期入院している女性のようでした。
入院後、主治医から挨拶がありました。
若い女性の研修医を連れてきて、執刀医は彼女ですと紹介されました。
主治医が指示するので大丈夫とは言われましたが、手術回数が多いベテラン医の執刀を期待していた私は正直ショックでした。
簡単な手術なので大丈夫ですとの説明でしたが、さすがに研修医の前でこんなのは嫌だとは言えず、また逆にそれだけ軽い手術なのだから私は大したことないのかもと思ったりして複雑な気持ちでした。
女性の研修医さんは後から一人で私のところに現れ、自己紹介をし、何度も私を安心するように話しかけ、私の手術部位を触ってしこりが感じられないのに驚きながら、最後にはよろしくお願いしますと挨拶してくれました。
私の不安を察してというのもあるでしょうし、彼女にとっても初めての患者なので気持ちが入っていたのかもしれません。少しうれしかったです。
手術の日、両親が手術の時間に間に合わないと連絡を受け、たった一人で手術に向かう時の辛さと言ったら…。本当に悲しい気持ちでした。
手術台に仰向けになり、手術する側は右の乳房だったので、右腕を真横に広げた状態にされました。そして麻酔をされたのです。
気を失いながら、自分の胸に心の底からさようならと告げました。
手術前に最後の姿を残しておこうと胸の写真を何枚か取りました。
傷のない姿はそれが最後になるでしょうから。
手術は2,3時間だったと思います。
気づいた時はぼんやりしていて、母の声がしていました。
はっきりと目が覚めた時、肩から首のあたりがひどく寒くて、そばにいた母に「上着を取って私の首のあたりにかけて!!」と何度も叫びました。
手術が2月だったので、フリースの暖かい上着を持ってきていたのはいいアイデアだと思いました。
私は手術後の説明は受けていないのですが、両親は私がまだ眠っている間に主治医から説明を受けたらしく、切り取った部位や手術の様子について聞いていたようです。
3~4センチ四方切り取られ、その中心部分に赤い塊があり、それが問題の部位だったそうです。
傷口は全然傷みませんでした。大きな包帯が巻かれていましたが、退院するときに外してくれて、胸を見ると、3センチくらいの一本線が走っていて、胸の大きさが変わったようには見えませんでした。
筋肉部を糸(体内に吸収されるもの)で縫合し、そと側の皮膚はおおきなセロテープみたいなものでしっかり張り付けてありました。
これをすると縫合部がきれいに塞がるということでした。
退院する時はいつもと変わらない元気さで、特に不自由することもなく、心配する両親が車で送ってくれました。(私は両親とは別に一人暮らしをしているのです)