空のなごり

経験、思ったこと、共感できることなど書いてみました。

1.12 薬膳を学んで

乳がんの原因は、結局人それぞれの体質や生活習慣によって違うのではないかと思うようになりました。

そして自分が再発しないためには体質にあった食生活やストレスを軽減した生活をすることが必要だと思うようになりました。

体質にあった食生活というのをどうするかと考えた時、一番分かりやすい指標が「薬膳」でした。食事というのはいろんなものがあり、何がどう私の体に合っているのか分からなかったからです。そういう意味で、体質に応じてどんな食材が私に合うのか分かるものは「薬膳」でした。

私は早速薬膳の授業に参加することにして、専門の知識を持った中国の先生から師事を受けることにしました。

 

薬膳とは、「ある目的に合わせて食材を選び、調理方法を選ぶ食べ方」です。

 よく使われる言葉に

 「治未病」…日常の食事で疾病を予防する。

 「弁証施治」…弁証して疾病の治療のための食事を考える。

 「因証用膳」…症状によって食べるものを選ぶ。

 「因時而異」…時期によって選ぶものが異なる。

 「因人用膳」…人によって食べ物の選び方がある。

 「因地而異」…住む場所によって選ぶ食べ物も異なる。

があります。私にとって大切なのは「治未病」でした。今後の病気の予防をしたいのです。

薬膳の基本概念は「陰陽五行」です。易経など、中国の古代の自然思想からきています。世界全体が調和を保っているというのが分かりやすい言い方になるのでしょうか。つまり、身体も調和が必要で、その調和が崩れたら病が出てくるということ。その調和を保つために食材で毎日補ったり排除したりしなければなりません。

 

ただ、薬膳の詳しい説明は割愛します。

 ※興味のある方は、専門書や教室に通われることをお勧めします。(ネットでもありますが、薬膳の本当の利用法は自分にオーダーメイドのものです。他人が利用している薬膳の調理法が自分に合うとは限りませんから)

 

1年かけて学びました。まだまだ初心者レベルですが、とても勉強になりました。

結局、学んでいく過程で、私の体質は「瘀血」「気滞」ではないかと気づきました。

体温も低かったし、貧血っぽいし、頭痛持ちだし…ぴったりと当てはまりました。

そこで、薬膳のやり方を踏襲して、毎日の料理を変えたところ…いろいろといいことがありましたが、一部悪いこともありました。

いいことは体質改善と、今まで悩んでいた体の問題を解決できたこと。悪いことは肥ったことです。痩せる食材は結構体を冷やすので、薬膳学習中はあまり食べなかったということもあります。

 

私によかったことを書きます。

1.基礎体温が上がったこと。

  温性食材(例えば、エビ、芋類、羊肉等)を選び、生もの少なくして火を通した温かいものを食べるとだんだんと上がっていきました。35度→36.5度へ

2.以前と比べていろんな食材を使うようになった。

  効能が分かると、興味のなかった食材も手に取って買うようになりました。それから香辛料やハーブは沢山買うように。味付けは塩コショウだけではなくなりました。

3.辛いものは私には合わないことが分かった。

  キムチチゲなどの海外料理の辛いものが大好きでしたが、それはお腹を壊すので、私は控えるようになりました。

4.頭痛の対処

  頭痛持ちでしたが、香味野菜などを食べると「気」が巡り、ひどい頭痛にはならなくなりました。今は頭痛になるのも年に数回。以前は週一ありました。

5.不正出血の対処

  ガン治療後、なぜか生理が止まらなくなり、ずっと経血が出ていたので、怖くなり、検査したのですが、異常はありませんでした。結局ホルモンバランスだろうと婦人科で言われたのですが、薬はなく…。

  薬膳、というか、漢方で、不正出血で処方される方剤は「芎帰膠艾湯」という有名なものがあるのですが、これを漢方薬局で処方してもらってもダメ…最終的に自分で調合し、ヨモギ(艾葉)、黄耆、大棗を煮詰め、飲んだところ、3日後から止血されました。その後、不正出血があるたびにこれで飲むと止まり、現在はまったくなくなりました。これも、薬膳で、生薬の勉強をしたからできたことだと思います。

 ※この調合は私のためですので、絶対真似はしないでください。ただ、ヨモギ(艾葉)は止血作用が強く、また日本古来の和漢方ですので、日常使いハーブとして利用するのはとてもいいと思います。

 

食事療法についてはいろんな方法がありますが、自分に合ったものを探すのは難しいです…。病気になってから「これが一番いい食事療法」というのをずっと探していますが、薬膳はとても勉強になり、自分にとってはとてもよかったと思っています。教室での私以外の生徒はすべて薬剤師さんでした(笑)