1.8 治療終了
放射線治療が終わったのは、最初の検査をしてから半年後のことでした。
放射線を当てた場所は日焼け以上の黒さで本当にみっともない感じ。右乳房を覆うように大きい■の長方形ができたという感じ。
鏡の前に裸で立つと、四角にくくられた黒い肌が、とても不自然な感じで、気持ち悪く感じました。
ただ、身体に記された+などの印を洗い流していいという許可がでたのはうれしかったです。やっと放射線から解放されたとうれしくなりました。
放射線治療を受けると、肌が黒くなるだけではなく、当てた部分の毛が無くなります。毛穴もなくなるので、汗をかきません。つるつるして肌触りがいいです。
わきの一部も放射線が当たったのですが、その部分の腋毛がきれいに無くなり、生えてもこないので、放射線の怖さを感じました。
約5年後の現在、産毛は復活しました。ただ、汗はいまだに出てきません。汗腺は死滅したんでしょう…。
先生から、放射線治療の後に5年間のホルモン治療を勧められましたが、断りました。
海外の論文を読んだり、自分で調べたりした結果、ホルモン治療をしたくないと判断したためです。
先生は困惑していましたが、ホルモン治療で鬱を発症する人がいることや、私がまだ初期の乳がんで再発の可能性が少ないことを考慮し、ホルモン治療をしないことに同意してくれました。
先生に
「乳がんの原因は何ですか?今後私に気を付けることはありますか?」
と尋ねたところ、
「原因は分かりません。現在はっきりとしたエビデンスはありません。ただ、運動不足というのは言われています。その他は分かりません。健康のためにと言って偏った食事は危険です。バランスのとれた食事をして下さい。あと、私の経験上、肥満になると再発するように感じます。肥らないように気を付けて下さい」
とアドバイスをもらいました。
当時、私は健康診断などで肥満という結果ではありませんでしたが、人生の中で一番体重があったことも事実ですので(体重は55キロでした)、それ以上は肥らないようにしようと思いました。
診断後、先生と相談し、今後は、年に2回病院に行き、定期検査を受けることになりました。
毎週のように病院に通っていましたが、その日から、もうガンに関わることはなくなりました。うれしいような心配なような。もう治療行為はなくなりましたが、あとは自分で自分の体を見守るしかなくなったのです。