2.4 就職後
私の最初の勤務先は鹿児島で、私はいきなり知らない土地、知らない言葉に直面することになりました…が、これが吃音にいい影響がありました。
吃音症状がとても改善して、私の周りの人は私の吃音に気づかなくなりました。
だからといって、たまにどもることはありますが、ほとんどの場合はスムーズに言えるようになりました。
改善した理由を考えてみました。
① 鹿児島の方言が私の症状に合っていた。(鹿児島滞在は3年間でしたが)
鹿児島の方言は標準語と明らかに違う特徴があり、それは単語ではなく、イントネーションが標準語と逆ということです。
大げさにいえば歌うような抑揚が伴うので、話しやすくなります。
歌う時はどもりません。ですから、鹿児島弁で話すことに慣れていけば自然と言葉に詰まる機会も減るようになったのだと思います。
② 一人暮らしの生活が話す機会を増やした。
一人暮らしだと、好きなだけ独り言が言えるし、職場で知り合いを増やしたかったので、他人との会話も以前に比べて積極的になっていきました。
独り言は傍目から見れば変な人に見えますが、吃音症状に悩む人にはお勧めです。
一人生活の時は、鏡の自分に向かって。あるいは写真の誰かに向かって、好きなことをどんどん話してみてほしいと思います。
一切どもらないで話せる時間をたくさん持つと、実際の吃音症状は軽減していくようです。
独り言はほとんどどもりません。
それから他人との会話にチャレンジして成功する度に自信がついていい影響を与えてくれます。
もちろん、仕事上で困ったことはありました。
よく話すようになったことで、ウグイス嬢をあだ名を付けられ、放送でアナウンスするよう言われて、どもってしまいました。
どもった様子をみて、皆「相当緊張したの?」と言いましたが…。もともとの症状なんですけれどね。普段の私の会話を見れば吃音は想像できなかったのだと思います。
電話は最初苦労しましたが、自由なところでしたので、いろんな電話を取り方、受け答え方をしても誰も注意しなかったし、電話でどもることは回数を重ねるごとに減りました。
相変わらず、母音で始まる言葉は苦手でしたが。
一度、大きなイベントで、司会をするように指示され、困惑していたのですが…。大きな災害があり、イベントが中止になったことで、救われたこともありました。
司会は絶対無理ですね。どれだけ改善したとしても。